10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
■技術士(建設部門:土質及び基礎、建設環境)
■技術士(農業部門:農業土木)
■上級技術者〔施工・マネジメント〕(土木学会)
□のり面施工管理技術者
□一級土木施工管理技士
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ヤマトです。
写真家の今森光彦氏がおっしゃっていらっしゃいます。
○日本の素晴らしさは「生きもの密度」が高いこと
逆に「生きもの密度」が低いのは、熱帯雨林の生態系であると。
「生きもの密度」とは、生態系の輪の大小を意味しています。
つまり、「生きもの密度」が高いということは、生態系の輪が小さくサイクルが早いため、再生可能度が高く個体数が多いことを意味します。
逆に、「生きもの密度」が低いということは、生態系の輪が大きくサイクルが遅いため、再生可能度が低く個体数が少ないことを意味します。
このことは熱帯雨林では、生態系が壊れた場合回復に相当の時間を要する結果になることを意味しています。
この結果、日本ではある生きものに遭遇した場合、同じ生きものに遭遇する機会が比較的高い確率で存在する一方、熱帯雨林ではその確率が極めて低く、場合によっては二度と遭遇する機会が無い場合も少なくないこととなります。
このような日本の生態系の特徴は、日本固有の農業環境と無関係ではありません。
田んぼを中心としながらも、雑木林があり水を必要とする環境、これが日本的な農業環境と言えます。
森の落ち葉が田の肥料に転換する環境、これらは相互に影響を及ぼしながら多様な生態系を育むゆりかごの役割を果たしてきました。
熱帯雨林の農業環境では、森林環境が単調であるため生態系においても多様性への発展が期待できません。
今日のブログは前段が極めて長くなっています。
タイトルの趣旨になかなか辿り着きません。
もうしばらくお待ち下さい。
このように多様性に富んだ生態系に大きな影響を及ぼしてきた雑木林が喪失し続けています。
この雑木林を指して「里山」と呼称するケースが増大しているようです。
「里山」とは先の今森氏の定義を用いれば、”人と自然が共存する日本古来の農業環境」となるそうです。
単純に考えても、里山の喪失は多様な生態系の基盤を喪失することに同義と言えます。
しかし、その影響はそればかりに止まりません。
人の手が入らなくなった里山には、植林が行われたり、或いは宅地化が進展したりしました。
前者の影響は、さらに人の手が入らない状況から、日の光が入りにくい暗い森へと化していくこととなりました。
さらに、高木へと成長した植林は天空を覆い、実のなる樹木や下草なども生育できない環境と化していくこととなりました。
こうして里山での食料が不足する結果となり、動物は里山から出て食料を求める他生きる術が無くなったのです。
また、従来の里山では管理のため人の出入りが頻繁に発生していました。
しかし、森と化してしまった場所は人の気配が無いことから、動物が森へ引き返すタイミングを喪失させてしまいました。
つまりボーダーが撤去されたに等しいと言えるでしょう。
従来里山は、牧草地や薪炭材の採取場所としての機能がありました。
しかし、近年の社会生活様式の中ではその機能が不要となってしまっています。
一方、岡山県では'07年度の農作物に関する鳥獣被害額が4.5億円にも及んでいるそうです。
その内イノシシ被害額が1.5億円。
このためイノシシ被害防止策などの施策が進展している状況です。
しかし、これは上記の記述を読まれた方々には、???しか残らないのではないかと思います。
根本原因を除去する施策では無いからです。
対症療法に莫大なコストをかけるよりも、根本原因を解決するため、従来とは異なる用途への展開方向を探る方が適切な気がします。
皆さまはいかがお考えでしょうか?
社会経済の発展と成熟は、科学技術の恩恵と言えるでしょうが、それを社会環境と無関係に適用しすぎてきたことの弊害があちこちで散見されます。
この里山の喪失もその一例と言えるのではないかと思います。
我々は空間軸を高く取り、幅広いスコープで判断並びに意思決定を行っていく覚悟が必要です。
スポットの技術も重要であることは間違いないのですが、フェーズでの技術も同様に重要であることを認識しない訳には参りません。
これを実現するためには、やはりネットワークの構築が不可欠で、幅広い目線で対策を効果的に打っていく。
こうした意識の醸成が重要と言えるでしょう。
是非このヤマトのブログを通じて技術者ネットワークが拡大していきますよう切に願っております。
皆さま方のご意見だけが唯一の栄養素と言えます。
何卒宜しくお願い致します。
では今日もBreakThroughを目指しましょう♪