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■上級技術者〔施工・マネジメント〕(土木学会)
□のり面施工管理技術者
□一級土木施工管理技士
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ヤマトです。

昨日の「地すべり研修会」は無事終了しました。
興味のある方、さほどでもない方、様々いらっしゃいました。
晴れてはいましたが、寒さがけっこう厳しかったので、バスから降りてもそそくさとバスに帰られる方もいらっしゃいました。
その一方で、なぜ?なぜ?という質問を多数受けたことも確かで、こういったことの積み重ねが自らの足下を眺めるインセンティブにつながっていくのだと思いました。

ヤマトの説明担当範囲は、地域の地すべりについてでした。
一応、pptで資料を作成し、その画像を参考資料として配布させて頂き、それらを用いて説明を致しました。

但し、地すべりの事ばかりをお話しても、聞く側は退屈になってしまい、最終的には説明の話は子守歌に聞こえることは間違いありません。
そこで、地すべりを身近なものに例えてお話しできないものかと考えました。
ご高齢の方が多いということも考え合わせて、地すべり地盤を「人の体」に例えることとしました。
(以下は説明内容です。)

地すべりには、「素因」「誘因」という観点で考えます。
地すべりを発生する地盤を人の体として考えてみましょう。
人は、体力のある方、細くてひ弱な方、病弱な方など様々いらっしゃいます。
これを地すべり地盤で考えると、「素因」即ち、地盤そのものが持っている特性と考えることができます。
また、人は病気になったり、怪我をしたりします。
その結果、本来の体力が低下することとなります。
こうした原因というのは、体の中の問題というよりも、外部から受ける影響に基づくと考えるのが適切でしょう。
これを地盤で考えると、外部の影響要因により地すべりが発生しやすくなると考えることができます。
これを「誘因」と呼んでいます。
具体的には、この地域での誘因は「水」ということになると思います。

また、こうした地すべり現象に対する対策は、大別して「抑制工」と「抑止工」と言われます。
前者は、先の人に例えるならば、体を強くする方法と考えて良いと思います。
一方、後者は、かなり進行した病気を治すために施す手術と言えるのではないでしょうか。
或いは、重傷の怪我人に対する外科的手術と言えるかもしれません。
このように考えると、即効性があり効果が大きそうな抑止工を選択したくなるかもしれません。

しかし、考えてみて下さい。
ここに置いてある机を押してみます。
このように動かすことができます。
これは一見手が押しているように見えると思いますが、実際にはしっかりした足場があって初めて成立する行為であることがお分かり頂けますでしょうか?
もしも、足場がぬかるんだ状態であったなら、押せるかどうか分かりません。
つまり、抑止工にも同じような事が言える訳なのです。
杭であれ、アンカーであれ、或いは擁壁であっても、しっかりと地すべりの力をきちんと受け持つ強固な地盤があって初めて成立する仕組みなのです。

では、その強固な地盤さえあれば抑止工で対策すれば良いのではないのか?
という疑問が生じます。
それが一概に大丈夫と言えないところに、地盤の難しさがあります。
それはどういうことかと申しますと、ずっと大きな力が加わり続けると、脆弱化する地盤があるということです。
これを再び人に例えてみましょう。
40kgの荷物を20代の頃運び続けた人がいらっしゃったとしましょう。
30代、40代まだ大丈夫です。
しかし、50代、60代となってくると少々厳しくなるかもしれません。
仮に、この方が100歳でもご健在だったとしましょう。
すると、どうでしょう?
40kgの荷物を運ぶのはきついでしょうね。
このように地盤が長く過大な地すべりの力を受け続ける間に、地盤の強度が弱くなってくる場合があります。
これも人と同様に、何年経過すれば持ち堪えられなくなるかということは、それぞれの現場ごと異なります。
このようなために、一度抑止工で対策した箇所で再び追加的な対策が必要になったりするのです。

ここでお話し申し上げたいことは、構造物で対策するということが根本解決に成り得ないことがあるということです。
裏返せば場合によって、体質改善の方がより効果的であり、経済的であるということです。
生活習慣病を予防するだけで、余命が延びるのであれば、その方が良いとお考え頂けると思います。
これと同様に、「抑制工」「抑止工」というものの性格をご理解頂き、今後の対策工決定においてこのような考え方でご判断を頂ければ宜しいのではないでしょうか。

(以上、研修概要)

上記のようなお話しをさせて頂きながら、足下の地すべりについて午前中ご説明をさせて頂きました。
午後からの現地研修では、ご参加下さったメンバーの方から人に例えれば・・・といった内容の会話が行われていましたから、余程印象強く残った内容は、人に対する例え話だったようです。

本論が置き去りにされて、例え話だけを記憶されるケースは多いと言えます。
しかし、それでも研修効果はあったと言えるのではないでしょうか。
と勝手に思っています。
大切なことは、今回の研修成果がどのように評価できるのか。
そして、不足する点は何であったのか。
さらに、これを継続して行うためにはどうしたら良いのか。

いずれにしても始まったばかりです。
次なる研修でさらにステップアップを目指す必要があります。

最後に、地すべりとは全く異なる研修の講師に指名を受けたことには驚きました。
どのような内容でも場当たり的にお話しできるというものではありませんからねぇ。。。
もちろん丁重にお断り申し上げました。

では今日もBreak Throughを目指しましょう♪
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